チャート式・野宿の定義
「野宿、100人に聞いていこう!」のコーナーでも展開されていますが、野宿の定義とはどんなものなのでしょう。手元にある和英辞典によると「野宿」の項には、まず “sleep in the open” とやることを具体的に説明した英語が載っており、ふたつめは “camp (out)” でした。キャンプと野宿はちょっと違うような気がするけど、英語でいうcampのニュアンスがぼくには分からないので何ともいえないところ。ちなみにcampを今度は英和辞典で引くと、「野営」「テント生活」などが並んでいました。うん、野営という言葉からは、テントを張っているイメージが目に浮かびます。野宿は野営よりシンプルなイメージがします。ひょっとしたら英語には野宿にぴったりくる訳語はないのかも知れません。
それはさておき、野宿の定義ですが、「野宿野郎」本誌では、ただでさえせまい野宿野郎の世界を自らせばめて読者を減らす必要もないということで、定義はできる限りの広義で解釈しているようです。自宅の寝床以外で泊まることは野宿といってもよいのではないかという勢いです。
「野外で寝ること」というのは(「野外」をどう定義するかによりますが)、どんな原理主義者でも文句の出ないであろう、万人が認める野宿の定義といっていいでしょう。そして、「家で寝ること」は、どんな日和見主義の軟弱者が拷問にかけられたとしても、野宿とはいえないでしょう。つまり、このふたつのどこかにそれぞれの人にとっての野宿と家宿のボーダーラインがあるということです。
さて、ではこのへんでこの表を見てださい。
「家」「キャンピングカー」「自家用車」「宿のロビー・廊下」「無料宿」「空港」「キャンプ場のキャンプ」「宿の屋上」「船のデッキ」「駅」「公園」「野外」という適当に選んだ宿泊可能な場所に、それぞれ「料金」「屋根・壁」「プライバシー」「ドア」「フロ・シャワー」「トイレ」「水道」「電気」「キッチン」「エアコン」があるかないかを示した表です。
「宿のロビー・廊下」「宿の屋上」というのは、主に海外の安宿で、部屋が満員になった時、ロビーや廊下や屋上で安く泊まれるというもの。雨の少ない中東にけっこうありました。ヨルダンで屋上に泊まったことがあります。
「無料宿」とは、行ったことがないので知らないのですが、北海道にあるというオートバイのライダー向けの宿とか、四国など有名巡礼地にある無料巡礼者用宿のようなもの。一度、インド・アムリトサルのゴールデン・テンプルの隣にある巡礼者宿に泊まったことがあります。食事(もちろんカレー)も無料でした。
「船のデッキ」というのは、夜行の客船でときどきある一番安いデッキクラスのことで、このクラスだと船内の椅子に座ることもできず、甲板で夜を明かすことになります。ユーレイルパスを持っていれば無料のギリシャからイタリアの船で経験しました。
海外へ飛ぶ時に、安い航空会社を選ぶとたいがい夜に到着することになります。あまりに遅く着いて、寝るだけで一泊分の宿代を出すのが惜しいという時は、空港泊となります。だいたい世界のハブ空港というのは、日本と違って24時間発着しているので、問題はありません(というか成田空港では泊まったことはないので分かりません。日本でも問題はないのでしょうか?)。空港に泊まる時は、到着してそのまま到着ロビーに泊まろうとすると、同じことを考える人たちが多くて、いい場所が取れないこともある上、到着客を狙った泥棒や詐欺師が多いので、出発ロビーまで移動すれば、そこには夜中や早朝に出発する人がいるだけなので空いていて、比較的安心して泊まれます。
この中で野宿といえるものはどれでしょう。野宿といえるものをピックアップして、それが持つアイテム、持たないアイテムを整理すれば、定義が浮かび上がってくるかも知れません。ぼくの場合、野外、公園、テント泊あたりは野宿色が高く、宿の屋上や船のデッキ、駅あたりがボーダーライン、残りの空港などになると野宿色なしというところです。
そのへんからぼくなりの定義を決めるなら、「野外に寝る」の野外かそうでないかを決定する「屋根・壁」の有無が重要で、それが広義の定義(表の下6段)。空が見えない野宿、風に吹かれないは考えられません。同じ駅でもプラットフォームなら野宿で、駅舎内だと野宿とはいえないという感じです。テントを屋根・壁とするかは、教義の解釈でもめて宗派分裂騒動を起こす宗教団体並みに難しい問題かも知れませんが、ジッパーを開けて顔を出せば、空が見えるということで、ぼくは屋根・壁ではないとしました(テントも野宿とします)。
さらに料金がかからないということが狭義の定義ですね(表の下3段)。
もうひとつ、付け加えるとしたら、野宿には「寝床選択の自由〜。アハハン…(古いですか? 昔のCMです)」が重要なポイントですね。(伝道師)
追伸、今でも「チャート式 数 II b」などの学習参考書はあるのでしょうか。
追追伸、「屋上」や「船のデッキ」「駅のプラットフォーム」に今ひとつ強固な野宿色が感じられない理由は、地面が土でなく固い人工物というのもありますね。あと、港に停泊している船のデッキに寝るほうが、移動中の船のデッキで寝ることより野宿色が高いという気はしませんか。
それはさておき、野宿の定義ですが、「野宿野郎」本誌では、ただでさえせまい野宿野郎の世界を自らせばめて読者を減らす必要もないということで、定義はできる限りの広義で解釈しているようです。自宅の寝床以外で泊まることは野宿といってもよいのではないかという勢いです。
「野外で寝ること」というのは(「野外」をどう定義するかによりますが)、どんな原理主義者でも文句の出ないであろう、万人が認める野宿の定義といっていいでしょう。そして、「家で寝ること」は、どんな日和見主義の軟弱者が拷問にかけられたとしても、野宿とはいえないでしょう。つまり、このふたつのどこかにそれぞれの人にとっての野宿と家宿のボーダーラインがあるということです。
さて、ではこのへんでこの表を見てださい。
「家」「キャンピングカー」「自家用車」「宿のロビー・廊下」「無料宿」「空港」「キャンプ場のキャンプ」「宿の屋上」「船のデッキ」「駅」「公園」「野外」という適当に選んだ宿泊可能な場所に、それぞれ「料金」「屋根・壁」「プライバシー」「ドア」「フロ・シャワー」「トイレ」「水道」「電気」「キッチン」「エアコン」があるかないかを示した表です。
「宿のロビー・廊下」「宿の屋上」というのは、主に海外の安宿で、部屋が満員になった時、ロビーや廊下や屋上で安く泊まれるというもの。雨の少ない中東にけっこうありました。ヨルダンで屋上に泊まったことがあります。
「無料宿」とは、行ったことがないので知らないのですが、北海道にあるというオートバイのライダー向けの宿とか、四国など有名巡礼地にある無料巡礼者用宿のようなもの。一度、インド・アムリトサルのゴールデン・テンプルの隣にある巡礼者宿に泊まったことがあります。食事(もちろんカレー)も無料でした。
「船のデッキ」というのは、夜行の客船でときどきある一番安いデッキクラスのことで、このクラスだと船内の椅子に座ることもできず、甲板で夜を明かすことになります。ユーレイルパスを持っていれば無料のギリシャからイタリアの船で経験しました。
海外へ飛ぶ時に、安い航空会社を選ぶとたいがい夜に到着することになります。あまりに遅く着いて、寝るだけで一泊分の宿代を出すのが惜しいという時は、空港泊となります。だいたい世界のハブ空港というのは、日本と違って24時間発着しているので、問題はありません(というか成田空港では泊まったことはないので分かりません。日本でも問題はないのでしょうか?)。空港に泊まる時は、到着してそのまま到着ロビーに泊まろうとすると、同じことを考える人たちが多くて、いい場所が取れないこともある上、到着客を狙った泥棒や詐欺師が多いので、出発ロビーまで移動すれば、そこには夜中や早朝に出発する人がいるだけなので空いていて、比較的安心して泊まれます。
この中で野宿といえるものはどれでしょう。野宿といえるものをピックアップして、それが持つアイテム、持たないアイテムを整理すれば、定義が浮かび上がってくるかも知れません。ぼくの場合、野外、公園、テント泊あたりは野宿色が高く、宿の屋上や船のデッキ、駅あたりがボーダーライン、残りの空港などになると野宿色なしというところです。
そのへんからぼくなりの定義を決めるなら、「野外に寝る」の野外かそうでないかを決定する「屋根・壁」の有無が重要で、それが広義の定義(表の下6段)。空が見えない野宿、風に吹かれないは考えられません。同じ駅でもプラットフォームなら野宿で、駅舎内だと野宿とはいえないという感じです。テントを屋根・壁とするかは、教義の解釈でもめて宗派分裂騒動を起こす宗教団体並みに難しい問題かも知れませんが、ジッパーを開けて顔を出せば、空が見えるということで、ぼくは屋根・壁ではないとしました(テントも野宿とします)。
さらに料金がかからないということが狭義の定義ですね(表の下3段)。
もうひとつ、付け加えるとしたら、野宿には「寝床選択の自由〜。アハハン…(古いですか? 昔のCMです)」が重要なポイントですね。(伝道師)
追伸、今でも「チャート式 数 II b」などの学習参考書はあるのでしょうか。
追追伸、「屋上」や「船のデッキ」「駅のプラットフォーム」に今ひとつ強固な野宿色が感じられない理由は、地面が土でなく固い人工物というのもありますね。あと、港に停泊している船のデッキに寝るほうが、移動中の船のデッキで寝ることより野宿色が高いという気はしませんか。
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